kabao

そして彼女は、私が書いた手紙を丁寧にしまった。

【今週の日曜日さ、死んでみようかなって】

 怠い午後。つまらない保健体育の授業を聞き流しながら、彼女から届いた手紙を開いてみたら、そんな言葉が書いてあった。隣の席に座る彼女の顔を、ゆっくりと見上げる。目が合った。私の視線に気付いた彼女は、真剣に授業を聞いている風な顔をしたまま、伏せた睫毛の数ミリだけで笑ってみせた。

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エトピリカの嘴の先へ

「ロク、お腹空いたね」 そうやって言葉にしたとき、私はロクの名前を思い出した。 ロクはふわふわの太い尻尾を振り回して、軽やかな雷のような声で返事をして、私の隣に座った。

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